任天堂の資料には、『ぽこ あ ポケモン』の販売本数として主に「400万本超」と「368万本」の2つが出てきます。
後から出た368万本のほうが小さいですが、売れた本数が減ったわけではありません。
対象地域、集計時点、数え方がそれぞれ違う数字です。
目次
「400万本超」は全世界の購入者への販売
2026年5月8日の決算説明資料(16ページ)で、任天堂は本作の発売後5週間の全世界累計セルスルーが400万本を超えたと説明しています。
スライドの大きな数字は「400万本以上」で、「超えました」はスライドの下の説明文の表現です。
セルスルーは、販売店や任天堂の直販サイトから個人の購入者に売れた本数です(5月資料 15ページの注)。国内も海外も含みます。
「368万本」は任天堂が販売する海外分
2026年8月6日の決算説明資料(25ページ)の368万本は、2026年6月末時点の任天堂の累計販売数量です。
本作は、国内では株式会社ポケモンが、海外では任天堂が発売・販売しています。
そのため、任天堂の表に載る本数は海外分のみです。
25ページの表では368が「全世界合計」の列に載っていますが、「うち、日本」の列は「-」で、実際は海外分だけです。表の注にも、国内は株式会社ポケモン、海外は任天堂が発売・販売すると書かれています。主要タイトル販売実績のページにも、この範囲が書かれています。
| 数字 | 集計対象 | 資料 |
|---|---|---|
| 400万本超 | 発売後5週間、全世界の購入者への販売(セルスルー) | 5月8日資料、16ページ |
| 241万本 | 2026年3月期、任天堂が販売する海外分 | 5月8日資料、27ページ |
| 127万本 | 2026年4~6月、任天堂が販売する海外分 | 8月6日資料、25ページ |
| 368万本 | 2026年6月末までの、任天堂が販売する海外分の累計 | 8月6日資料、25ページ |
241万本と127万本を足すと368万本です。
各期の内訳は、5月資料のミリオンセラー表(27ページ)と8月資料の同じ表(25ページ)に載っています。
8月資料の販売状況(5ページ)では、販売数量はセルイン、つまり任天堂グループからグループ外への販売だと説明しています。取引先への販売に加えて、直販やダウンロード販売も含みます。
400万本超から368万本を引いても、国内の販売本数にはなりません。前者は発売後5週間の全世界のセルスルー、後者は6月末までの海外分のセルインで、期間・地域・数え方がどれも違います。
本体への貢献や利益はどこまで分かる?
5月資料(5ページ)で、任天堂は3月発売の本作がNintendo Switch 2本体の販売に貢献したと説明しています。
ただ、本作がきっかけで売れた本体の台数や、本作単独の売上高・利益は、5月・8月の決算説明資料と決算短信(5月・8月)、5月の決算説明会の質疑応答には出ていません。
販売本数に希望小売価格を掛けても、任天堂の売上高や利益にはなりません。
8月資料(3ページ)の営業利益は、前年同期比150.5%増でした。
同じ資料には、IEEPA関税の還付に伴う約3億米ドルを売上原価の減額として計上したとも書かれています。営業利益の伸びを本作だけに結び付けることもできません。
数字が3つも4つも出てくると、どれが本当の販売本数なのか迷いますね。次の決算でも、地域と時点と数え方を揃えてから見比べるつもりです。
共同開発の相手は?
本作は株式会社ポケモン、株式会社ゲームフリーク、コーエーテクモゲームスが共同で企画および開発をしています。
コーエーテクモホールディングスの2026年3月期決算説明会資料(3ページ)では、ロイヤリティ売上となる協業タイトルが収益をけん引したと説明しています。22ページでは、本作を大型タイトルのひとつに挙げています。
なお、ロイヤリティや開発対価の金額、協業先との契約条件は開示されていません(同資料5・8ページの注)。売上が任天堂、株式会社ポケモン、コーエーテクモにどう分かれるかは、公開されている資料からは分かりません。

